みなさん、こんにちは。
新型コロナウイルス感染拡大の影響は止まる処を知らず、ついに緊急事態宣言が発動される事態へと突入。
簡単に外出しようにも、万が一を考えてなかなかできない状況です。
おまけに在宅ワーク等でいつもとは違う勤務形態になって、家にいる時間が多く、子ども達と一緒に過ごす時間も増えている方も多いです。
そうした中、家族で家の中で遊べるゲーム機やボードゲーム等の売り上げも伸びているそうですが、小さなお子さんがいらっしゃる家庭は、まだそうしたゲームも出来ません。
普段から積極的にお子さんと関わっているお父さんやお母さんですら、「ネタが尽きてきた…」と思われる方もいらっしゃいます。
そこで、今回は、家にいて子供と過ごす時間が多くなった今だからこそ、お子さんと一緒に読みたい「絵本」をご紹介します。
今までお子さんと一緒に読み聞かせをしたことがない方ほど、何を読めばいいのか、どうやって読んだらいいのか迷うし、恥ずかしさもあって大変ですよね。
その不安や悩みを少しでも解決するのが今回ご紹介する『だいすき ぎゅっ ぎゅっ』と言う絵本す。
この絵本を知っているだけで、お子さんとのコミュニケーションが一層深まるので、親子の絆が深まります。
『だいすき ぎゅっ ぎゅっ』って?
まず、今回おススメする『だいすき ぎゅっ ぎゅっ』の作者や発行年や、気になるページ数をご紹介。
『だいすき ぎゅっ ぎゅっ』
- 文 :フィリス・ゲイシャイトー&ミム・グリーン
- 絵 :デイヴィッド・ウォーカー
- 訳 :福本 友美子
- 出版社 :岩崎書店
- 出版日 :2012.12.10
- ページ数: 25ページ
英語本の『Time for a Hug』が原作で、翻訳家の福本友美子さんが訳されています。
25ページと聞くと、ページ数の多さに戸惑うかもしれませんが、あっという間に読めます。
どんな内容?
『だいすき ぎゅっ ぎゅっ』は、「おはよう!おはよう!」から始まり、「おやすみなさい!」で終わる、うさぎの親子の何気ない日常が愛情たっぷりに描かれています。
元気いっぱいな子どものエネルギーが、イラストにもとてもよく表現されています。
たとえば、何気ない日常が続いていくなかに、
朝ごはんを食べて「だいすき ぎゅっぎゅっ」
本を読んで「だいすき ぎゅっぎゅっ」
いっぱい遊んで「だいすき ぎゅっぎゅっ」
と合間合間で、うさぎのお母さんが子どもを抱きしめるシーンが登場します。
とにかく、「何気ない親子の日常」ですが、とっても温かい気持ちになります。
また、読みやすさの1つに、本文が五七五調になっていて読みやすいんです!
リズムによる展開が効果的にメリハリになっていて、子どもだけではなく大人もグイグイ引き込みます。
そして、子どもに読み聞かせながら、途中定期的に出てくる「ぎゅっ」というところで、実際に抱きしめてあげると、子どもは親の愛情を感じられると思います。
”抱きしめる”大切さ
内容はうさぎの親子の一日を時間刻みで描いたお話なので、「時間」とふれあう最初のステップにおすすめの絵本です。
しかし、この絵本の素晴らしさは、ウサギの親子がぎゅっと抱きしめ合う姿に合わせて、実際に親子が「ぎゅっぎゅっ」と抱きしめ合うことにお子さんの心がきっと温まることです。
実際に我が家でも、この絵本を読むときに「だいすきぎゅっぎゅっ」という箇所で息子を一緒にぎゅっと抱くと、絵本に顔を向けたままですが、にこにこ笑っていまし、時には何度も読んでとせがんできます。
ある調査機関が「親子のハグとカラダとココロの健康」に関する調査を行ったところ、
- ハグをされている子どもの約90%は、同年代に比べて、ココロとカラダは健やかに育つ傾向に
- ハグをしたことで親(自分)・子どもが快眠・健康になると初めて知った人は約半数
- 一番期待される効果は「子どもの快眠」
- 親にハグをされてきた親の90%以上が、自分の子どもへもハグをしている
というデータ結果が出たそうです。
なんとなく”抱きしめる”って大切なことかな…と思っていましたが、こんなデータまであるんですね。
そして、この絵本の翻訳家である福本友美子さんがインタビューの中で
実際に子育ては、次から次へと食べさせて、遊ばせて、お昼寝させて…と、それだけで日が暮れてしまいますしね。けれども、そんなルーティンワークだけでなく、その合い間合い間に「ぎゅっ」とハグすることが大事だよ、ということを、この絵本は教えてくれるんですよね。
私自身、小さな子どもたちに絵本を読む機会が多いのですが、ひざに乗せて読んであげると、子どもたちは必ずと言っていいほど、読んでくれる人の身体のどこかを手でさわっています。それほど小さな子どもというのは、常にスキンシップを求めているのではないかと感じます。ですから、絵本を読んでいるときにも「ぎゅっ」としてあげたら、どんなに嬉しいかと思い、「おつぎはなあに だいすき ぎゅっ ぎゅっ」という場面で、ひざに乗せた子どもたちを実際に「ぎゅっ ぎゅっ」と抱きしめてあげてほしいという気持ちもあったんです。
「0歳からの絵本の読み聞かせタイム」を義務に感じているお母さんも多いかもしれません。実際にはひざに乗せて、いざ絵本のページをめくっても、0歳ではまだお話を聞くのは難しいですよね。1ページ見ただけでパタンと絵本を閉じてどこかに行ってしまったり、ただめくるのが面白いだけだったり。でも、最後まで本を読み終えなくても、「ひざに乗せて絵本を開く」ことを何度か続けていくと、「絵本を読んでもらうのは楽しいことなんだ」というのが0歳児ながらにわかってきて、1歳過ぎてよちよち歩きし始める頃になると、自分で絵本を持ってくるようになりますよ。絵本を本棚から持ってきて、後ずさりしてひざに座ろうとするその姿なんて、何とも言えず可愛いですよね。
とも言われています。また
以前、大学で教鞭をとっていたとき、学生に「小さい頃に読んだ、思い出に残っている本」についてのアンケートをとったことがあります。アンケートの中にはその本の思い出も書いてもらったのですが、その何百人かの回答を読んでとても驚きました。「お母さんが私と弟に読んでくれて、その後私が弟に読んであげました」とか、「いつも寝る前にお父さんが読んでくれました」、「保育園の先生が毎日読んでくれました」など、ほとんどの回答に「誰が読んでくれたのか」が書かれていたのです。
読んでくれた人のことが絵本と一緒にひとつの思い出になっている。
これはとても大切なことだと思いました。子どもの頃の絵本の思い出というのは、本そのもののよさだけではなく、誰かが自分のためだけに時間を使って読んでくれたという、「幸せの記憶」として刻み込まれているのです。そしてその記憶は、大学生になっても残っていて、絵本を開くたびに、その幸せな思い出がよみがえるんですね。ですので、特に小さい子どもにとって絵本は、お話そのものだけでなく、誰と一緒に読むのかが、すごく大事なのではないでしょうか。
0歳からの読み聞かせが大切なのは、「たくさんの本を読み聞かせる」ことではなくて、「幸せな時間をどれだけ共有してきたか」ということなんです。そして、それはパパママだけではなく、おじいちゃんやおばあちゃん、先生など、周りにいる大人が、自分のためだけに読んでくれるということなのではないかとも思います。
とも言われ、「抱きしめること」、「一緒の時間を共有すること」の大切さが込められていることを述べられています。
まとめ
親子で読み聞かせをする最初の一冊として『だいすき ぎゅっ ぎゅっ』を紹介しました。
うさぎの親子の何気ない日常が愛情たっぷりに描かれていて、何度も「だいすき ぎゅっぎゅっ」と合間合間で、うさぎのお母さんが子どもを抱きしめるシーンが登場します。
とにかく、「何気ない親子の日常」ですが、とっても温かい気持ちになります。
翻訳家の福本友美子さんも
『だいすき ぎゅっ ぎゅっ』も、お母さんやお父さんのひざに抱っこして、「ぎゅっぎゅっ」としながら読んであげてほしいですね。そして「この本、よくお父さんやお母さんにぎゅっぎゅってしてもらいながら読んでもらった」と、大学生、大人になってからも幸せな思い出として心の中に残ってほしいですし、彼らにお子さんができてから、同じように幸せの記憶を一緒に読み継いでほしい、そんな思いも込めています。
という思いを込めた作品を、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、家にいる時間・親子でいる時間が多くなった今だからこそ一緒に読んでみて、おもいっきり抱きしめてあげてはいかがでしょうか。
お子さんとのコミュニケーションが一層深まり、親子の絆が深まります。